陸上競技部 >> 北京オリンピックの代表 尾方選手・佐藤選手 インタビュー


尾方選手,佐藤選手インタビュー

 今回は,解団式の翌日に,尾方 剛選手,佐藤 敦之選手にインタビューを行いました。

 尾方選手インタビュー

オリンピックを終えた感想はいかがですか。
緒方選手 達成感がなかったというか,不完全燃焼に終わった感じでした。優勝争いに加われず,先頭集団で全く走っていないので,情けないという気持ちもありますし,とても悔しいです。先頭集団についていけず中途半端な位置で走っていたのですが,その位置にいる選手と遅いペースで走るしかありませんでした。

オリンピックとこれまでのレースとの違いは実感されましたか。
 やっぱり雰囲気が違いました。マスコミの対応も違いましたね。オリンピックはマラソンだけでなくいろいろな競技があって,規模が大きいのでそれだけでも違うと思いました。
 練習自体は普段どおりやっていましたし,プレッシャーも特に感じませんでした。ただ,レースに対する緊張感はしっかり持って走りました。それが過度になるということはありませんでしたが。

レース展開について教えてください。
 スタートでの位置取りがうまくいかなかったので,遅い集団で走っていました。20kmまで5,6人で走っていましたが,後ろからバルディニ選手(イタリア)が3人で追い付いてきたので,それに乗っていきました。33kmくらいから自分が前に出て引っ張っていくような形で走り,落ちていく選手を拾っていくという感じでした。レース途中は順位が全然分かりませんでしたね。途中から暑さを感じるようになりましたが,苦しいのは皆同じだと思っていました。

走ったあとの感想は。
 レースが終わった直後は,もう夏でも冬でも関係ないと思いました。夏のレースだから,という固定観念をなくす必要があると感じました。それと,先頭集団にいないといけないことも実感しました。

スピードレースとなったことに対しては。
 北京はフラットコースだったので,スピードレースになることは予想していました。ただ,あの暑さの中で2時間6秒台を出すとは思っていませんでした。

ゴール後,ワンジル選手とお話していましたね。
 ワンジル選手に「勝ったのか」と聞いていました。そこで初めて2時間6秒台というタイムを聞きました。もう,「すごい」とか「強い」としか思えませんでした。

今後について,何か考えていますか。
 考えていますよ。課題はたくさん見つかりました。メダルの代わりに課題をたくさん持ち帰りました。スタートがハイペースでもビビらないこと,速いペースでも楽に走るようにすることなどです。楽に走るということは,方法は分かっているんですが完成していないですね。またどんな気候のレースでも,先頭集団で走るように,ケニアなどと勝負できるようにしたいです。

解団式についてなど,何か思い出などはありますか。
 解団式は本当にたくさんの人がいました。メダリストは扱いが違うのを実感し,とても悔しい思いがしました。自分もそこにいたかったです。
 ただ逆に,今回かなり敗北感を味わっていますので,この悔しさを忘れることはないですね。もう少しやりようがあった,力が出し切れなかった,もし先頭集団にいたら,と,悔しさでいっぱいですが,この悔しさでより強くなっていきたいです。

レース直後のインタビューでは,悔しいと言われる一方で言い訳を全然されませんでした。
 言い訳は意味がありませんからね。仕事も同じです,与えられたことをきっちりやらないと評価してもらえないので。でも,後から人に「インタビューが共感できた」と言われて,誰かに何か思われようと思って言ったわけではなかったですが,嬉しかったです。

最後に,ESSC,職場の皆さんにメッセージをお願いします。
 ESSC,職場の皆さんには,いつも熱い応援をしていただき,ありがとうございます。結果は満足のいかないものとなり,情けないし悔しいですが,メダルの代わりにたくさんの課題を持って帰りました。それを4年後に活かせるよう精進していきたいです。今後ともご声援よろしくお願いします。

 佐藤選手インタビュー

オリンピックを終えた感想はいかがですか。
佐藤選手 万全の体調でスタートラインに立てなくて悔いが残ります。元気な状態でスタートできなかったことも実力なので,しっかり受け止めて次に進みたいと思います。ただ走り抜いたのは自分の中ではよかったし,次に繋がったので自信に繋がりました。

オリンピックという大きな大会で,レース後にいつもどおり礼をされていました。
 多くの方に支えられてスタートラインに立てたと思います。だから,いつもどおり,いつものことをしようと思いました。

初のオリンピック,初舞台はいかがでしたか。
 メダルを目指すと宣言した自分と,メダルに向けてチャレンジする自分との間でギャップがありました。そのギャップを受け止めきれず,歯がゆい思いでした。ですが,これが現実なので,受け止めてやり遂げたらたら違うものが見えると思って走っていました。

走りぬこうと思えたのはなぜですか。
 投げ出したくはありませんでした。自分が最後まで走りきれば,自分も,北京に来てくれた人,(テレビを)見てくれた人も,互いによかったと思ってもらえるかなと思った。だからやめようとは思いませんでした。
 それと,自分自身,こんな状況でどれだけやれるかチャレンジするつもりで走りました。それで倒れてもいい気持ちでした。棄権と完走とでは全然違うと思います。オリンピックは4年に一度だし,日本代表としてという気持ちでした。

競技場に入ったときはすごい歓声でしたが,聞こえていましたか。
 聞こえていました。競技場だけじゃなく,レースの途中でも,中国の方などに応援をすごくしてもらえたのが印象的でした。応援があったので走りきれたんだと思います。
 競技場に入った時,オリンピックはやはりすごいなと思いました。また何とかゴールできそうだなという気持ちになりました。

ゴールしたときの礼に込めた思いは。
 悔しさ,不甲斐なさなどありましたが,それを貫かなければ自分ではない,という思いでした。支えてくれた方へのお礼は忘れたくないと思いました。
 ここまでたどりつかせてくれた人全員に対してお礼を言いたいです。

今後の目標,課題などは。
 体調が大事であることを痛感しました。順調に練習が積めていれば気にならなかったと思いますが。今後はリズムをうまく作り調子をよくしていきたいです。

最後に,ESSC,職場の皆さんにメッセージをお願いします。
 今回の北京オリンピック,応援ありがとうございました。ゴールにたどり着くのがやっとのレース内容でしたが,完走できた,やりとげたということは,自分の人生の中で財産となりました。これを今後の糧にしていきたいと思います。
 オリンピックという舞台に立てて,よかったと思います。ESSC,職場の皆さんからもたくさんの応援をいただきまして,ありがとうございました。今後ともご声援どうぞよろしくお願いします。




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