陸上競技部 >> 世界陸上ベルリン大会に向けて 佐藤選手インタビュー


世界陸上ベルリン大会に向けて

 4月26日に行われたロンドンマラソンで,2時間9分16秒で見事ゴールし,8月にドイツで行われる世界陸上ベルリン大会のマラソン日本代表に選ばれた佐藤敦之選手。今回は,佐藤選手にインタビューを行いました。

 インタビュー

世界陸上ベルリン大会マラソン代表決定おめでとうございます。ロンドンマラソンを走ってみた感想はいかがでしたか?
佐藤選手 2時間10分という目標を達成できた点は良かったと思います。
 本当は第一集団について走りたかったのですが,第一集団のペースは事前予告で速いことがわかっていたので,8人くらいの第二集団でしっかり走ろうと決めて走りました。10km過ぎた頃にペースダウンしてしまい,32kmを過ぎるときつくなってきましたが,何度もマラソンを走った経験から最後まで走れる感覚があったので,焦らず自分を信じて走りました。

北京オリンピック以降はどのような練習をつんできましたか?
 北京オリンピックが終わった後は,ショックで体調もモチベーションも上がらず,一時はマラソンをもう走れないかとも思いました。それでも,もう一本マラソンを走りたいという気持ちも持ち続けていました。
 北京では直前に体調を崩して走れなかったので,練習に対して恐怖心がありました。その克服のために,多少の無理をして,それをクリアできれば自信になると思ってたくさんレースに挑みました。レースをすれば,否が応でも追い込みをかけますし,レースを利用して自分を奮い立たせ,そこで何かつかめたらいいと思っていました。

それで,レース連戦に挑まれたのですね。
 連戦に挑んで体調を崩さなかったら,それは自信になります。また,マラソンの高速化に対応するには,速く走る部分を鍛えないといけない。速く走る部分は,ある程度追い込まないと鍛えられないと思いました。この歳になったら,高いところで質を維持することが大事なのかなと思います。
 また,ロンドンに向けての練習は,量を減らして,確実にできること,余裕でできることを念頭に置き,体調優先の方向に切り替えました。ロンドンでは失うものはありませんでしたし,これでダメなら次の目標に向かおうと思っていました。ニューイヤー以降,今年は体調をもどす一年にしようと思っていました。ロンドンマラソンはその前半にあたるので,体調を戻すために走ろうと自分に言い聞かせていました。
 マラソンの高速化時代を迎えた今,マラソンの練習方法を変えないといけないと思いました。ロンドンでも海外選手の練習方法を聞いてみました。すると,たくさん練習しているわけではないことが分かりました。日本のマラソン練習も,スピードを上げるために質の高い練習が必要だと思います。しかし,質の高い練習をすればそれだけダメージも大きくなるので,自分の体調,精神状態を知った上でトレーニングをしていくことも重要だと思っています。

世界陸上ベルリン大会に向けての目標は?
佐藤選手 入賞を目指して走りたいと思っています。前回の世界陸上パリ大会では,8秒差の10位で入賞を逃しました。当時と比べて世界のレベルが上がっていますし,北京オリンピック以上のハイレベルなレース展開になることは目に見えています。
 このベルリン大会で,マラソンを走るのは12回目(棄権を含む)になります。長年培ってきたものを生かして,挑んでいきたいと思っています。

ESSC,社員の皆さまへ一言。
 人は,一人だと弱いと思いますし,一人では走れないと思います。
 ESSCや職場の皆さんには,走れる環境を作ってもらっていると思っています。
 身近な社員の方に一言声をかけてもらえるだけで,頑張って走ろうという気持ちになれます。
 これからも応援よろしくお願いします。




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