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全電力野球大会にむけて

全電力野球部
主将 中村 修士
  主将 中村 修士
はじめに
 全電力野球部に選ばれた選手は,自分が野球に打ち込める環境にあることを感謝して欲しい。
 全電力野球部は,一次・二次合宿,本大会と長期間 業務から離れる。業務を引き受けてくださる同僚がいるからこそ成り立つものであり「自分は全電力選手だから当然」という勘違いを絶対にしてはいけない。
また,家族の理解・支えも忘れてはならない。家族の理解も「この人から野球をとったら」と,野球をする自分に愛情を注いでくれているからこそである。中には,半ば強引に参加する選手もいるかもしれないが,家族の理解があってこそ成り立つこと自覚して欲しい。
 少なくとも,私が尊敬してきた野球選手や上司は,周りに感謝ができる人達であった。

勝利に対して貪欲(どんよく)になれ
 全電力野球部は仲良しクラブではない。全ては「勝利」のためである。選ばれた選手は「全電力大会優勝」の目標を掲げ,投じた費用に勝利で応えるべく,最大限の努力を行うべきである。
 選手選考にあたっては,監督も苦悩したと思うが「勝利」のための選出であったことは間違いない。
 高い目標をもちながらも,選出されず涙した仲間が何十人もいる。だからこそ勝利に対して貪欲でなければならない。今「確かな目標」と全電力野球部員としての「誇り」を持ち,戦う集団として一致団結しよう。
 
全電力大会(対東北電力)先制点をあげる3塁ランナーの中村選手

全電力野球部員はひたむきたれ
 みんなが選ばれた理由は「今のままで充分な選手」だからではない。集めるだけで勝てるのなら苦労はしない。当然「選考時より高いレベル」を求められる。
 前述のとおり,涙した仲間達に「最大限の努力」をしたと胸を張って帰れるかどうかを常に念頭に,ひたむきに練習に励んでもらいたい。
 多少練習がつらくとも逃げてはいけない。当然,大会前につぶれては本末転倒だが,レベルアップするための計画・実践・考察は,自然と必要となってくる。
 仲の良いメンバーで集まるのは結構だが,その話の中味は,切磋琢磨できるものであるべきで,先輩や全く野球感の違う選手と意見交換するのも大事な姿勢である。そこからチームワークや信頼感が生まれる。「仲が良い」を履き違え小集団化してはならない。チームは一つだ。

人生は,万事,塞翁が馬(さいおうがうま)
 人間の禍福(災いと幸せ)は変転し定まりのないものというたとえ。
 大会・合宿中に「自分では思いもよらないこと」が連続して起こることがある。幸も不幸も。
 例えば,試合中のエラーやレギュラ−落ちのように自分の環境がどのように変わるか予想はつかないが,努めて前向きでいることが何よりも重要ではないか。
 どんな不幸にも「災い転じて福となす」を信じ,プラス思考でいたい。エラーや三振で落ち込まない。失敗から見えてくる「次の成功」があるのだから。

エースは鑑(かがみ)
 強いチームには,いつも他の選手の模範となるエースがいる。
 プロの世界でさえ,エースの練習や言動を受け若手だけでなく,ベテランまでもが練習方法や姿勢を取り入れる。
 エースとは,なにもピッチャーだけではなく,守備・打撃にもエースはいる。「○○を見習え」とチームメイトが思い「俺をよく見ておけ」と良い意味で自分をも鼓舞できるチームになれたら,しめたものでないか。

名誉の負傷の判定
 阪神の金本選手はケガしても出場し,それを全く言い訳にしない。それどころかチームの荷物にならないよう,どの選手よりも成績を残す。
 大ケガをして,他の選手の方がチームに貢献できる状態であれば交代する決断も必要だろう。
 しかし,周りから評価されない欠場の仕方では,チームの士気に関わるし,何度も言う「涙した仲間」に対して示しがつかない。
 ケガをして試合に出場する基準は「この試合が引退試合だったら。」と「チームのために降りるべきか,そうでないか」だ。
 あの巨人の長島や王は,オープン戦すら休まない姿勢を貫いたという。

声を出そう!
 一時的な声は,何も影響を与えない。全電力はベンチを含め21対21で戦っている。5人声を出さなかったら21対16になり,一人が2倍の声を出せば21対42となる。確かに声を出さないほうが楽だが,それは自分が楽なだけ。肝に銘じて欲しい。

声を出せない選手
 集中できる。プロが声を出したのを聞いたことがない。言い訳はこんなものだろう。変なプライドは捨てて欲しい。
 また「口だけの選手」と思われたくないのかもしれないが,今,自分の代わりに,必死で声を出している選手がいたらと想像したら,多分 頭が上がらないだろう。

集中力の維持のために
 野球は 静と動 を繰り返す。時に集中力が途切れ,当たり前である情報すら認識できないことがある。
 集中力維持のためにはお互いの確認が大切であり,自然と声が出てくるとベンチや野手の声となりチームの声としてまとまる。
 例えば,1アウト3塁の守備時,相手がどんなサインを出したのか「胸と帽子じゃったぞ」と言えば,打者もやりにくいし「エンドランだろ今の」「いやバントの時もを触った」と内野手の会話が続けば,自然と守備側から攻撃を威嚇するスタイルが生まれる。
 言い換えれば,全打席,全球ごとに集中することは非常に難しいので,周りが気付かせることが大切である。

ヤジとは
 野球は心理ゲームであり,心理をつく声は,動揺を誘う。投手,捕手,野手,打者,走者,相手ベンチの心理を突いて,集中力を切ったり,考えさせることによってミスを誘う。
 ホットコーナーは,偶然にも両軍のベンチに近いところの野手を指す。特に一塁手,三塁手は相手に嫌がられる選手なって欲しい。

試合での自信
 自信への裏付けは努力しかない。どれだけ出来ることを繰り返し練習してきたかが鍵である。
 テストでヤマがあたるのも,ヤマではあるが努力した結果である。できることを確実にこなすには,反復練習しかない。

監督の心理を理解しようと努力する
 監督と選手の要求とは常に相反する。なぜなら監督がチーム優先で考えている一方で,選手は自分の理想とのギャップに腹を立て,監督の考えや方針を理解しようとしない。言わば,個人主義に走る傾向にある。
 選手側からすれば (1)自分の能力を評価して欲しい (2)自分に何を期待しているか教えて欲しい (3)結果が伴わなかった場合,その過程を教えて欲しい (4)ライバルに比べて自分の評価が低いのはなぜか教えて欲しい という要望があがるだろう。
 しかしながら,選手の選考,オーダーの思案,作戦も監督はチームを勝利に導くために日々頭を抱えながら適材適所を追求しているのだ。
 他電力も選手・監督間のひずみはあるはず,少なくとも監督を信頼・理解する点面ではトップでありたい。

身の程を知る
 練習中にホームランを打ったこともない選手が,満塁の場面にホームランを狙ってフルスイングをする。これはどう考えても,目立ちたいという個人主義が表に出てしまった例である。
 自分の実力の分析は,周りを冷静に見ることができる目がなければできないし,周りから指摘されたことを聞き入れることが重要である。
 「自信」「過信」は大きな違いであることを理解し,自分の足らない部分が理解できれば,監督と自分の考えとのギャップも埋まり易いはずである。

選手は,己を知る者のために死す
 「士は己を知る者のために死す」という言葉がある。これは自分の存在価値を知ってくれる人がいれば,その人のために死んでも構わない という意味の言葉だが,その根底には,理解してくれる人への信頼と忠誠心がある。仕事も野球も指揮するリーダーへの忠誠心により,組織として動ける。
 チームメイトとの交流のなかで,一人ひとりを理解しあうことで「リーダーや仲間のために」が積み重なり「チームのために」と展開してゆけるのではないか。そうなれば,チーム優先で考える監督への理解も増し,忠誠も誓えてくる。

チームとしての強さ
 近年,全電力大会覇者である九州電力は,我々のチーム以上に結束力が強いと感じる。その理由は,チームメイトへの信頼である。その様子を,バックネット裏から見ても確認でき,対戦中にも,相手への余裕として映る。相手への脅威を自然とチームワークで与えているのだ。
 我々も「まとまりは怖い」と言われるチームになっていきたい。今は,一生懸命チームに尽くすことでしか表現できないが,どうか協力して欲しい。そして,永遠に選手に愛されるチームを実現し,中国電力の財産としてその伝統を残したい。

個人練習は,自分との戦い
 過去の栄光のために,美しい自分を誤解している一面がある。昔の自分が鮮烈に記憶に残り,今もその能力が自分にあると錯覚してしまっている。
 我々は,年々歳を重ねており,過去の栄光を自慢したところで,チームメイトへは信憑性の無く,自分とのギャップを生み虚しくなる。
高校時代程のハードワークを続けることは難しいかも知れないが,チームの底上げを図るには,現在の個人能力をあげなければ始まらない。過去の自分に近づける目標を持って自主トレに励まなければならない。
 今,全電力野球部として,東京ドームを目指している。もう一度,青春をかけて自分を奮い立たせて行こうではないか。

最後に
 今回「全電力野球野球大会へむけて」を発信したが,それぞれ自分の野球感があると思う。
 私は,過去の主将達のように全電力野球部を牽引するためにも,まず諸先輩方がしてきたことで見習うべきところから実践したいと思っている。これも,チームメイトであるみんなの協力があって達成できることなので,力を貸して欲しい。
 私が,何を伝えたかったか「セレクションに落ちた選手の分も頑張る」「今よりもレベルアップする」「弱い自分に負けない」「チームのために出来ること見つける」「チームメイトを信頼する」を理解し,全力でチームを愛して欲しい。
 これを契機に,全電力野球部をもっと好きになってくれたら,照れくさいながらも「思い」を発信した者として,これ以上の幸せはない。
以 上


愛すべき全電力のメンバーと(後列 右から3人目10中村修士主将)