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「楽しんでいこう!」 11カ月ぶりに戦列復帰した瞬間に掛けた声の意味

  • [ 選手日記 ]
  • 2023年3月30日

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青木智成がフィールドに戻ってきた。長い負傷離脱を経て初めての試合。緊張しないわけがない。そんなときに同期が声を掛ける。「楽しんでいこう!」。

3月4日の九州電力キューデンヴォルテクス戦、腰のケガで離脱していた青木が11カ月ぶりに復帰を果たした。同期の松田進太郎、平山真也、藤井健太郎の3人は先発出場していたため、これで1年目の4人全員が初めて同じフィールドで戦った。

普段から仲のいい同期4人。最初にデビューしたのは青木だった。昨年4月1日に加入し、2日後の試合にはスタメン出場していた。先を越された3人は悔しい思いをしたが、「今度は俺たちの番だ」と奮い立った。

だが、青木は昨季3試合の出場を最後に腰の手術を受けて長期離脱を余儀なくされた。その間に今季が始まり、松田、平山、藤井の3人は開幕からスタメンで試合に出続けた。負傷者続出の厳しいチーム状況を3人が安定した活躍でカバーし、岩戸博和ヘッドコーチも「必要不可欠」と言う存在になった。

今度は離脱中の青木が「ラグビーをやりたいけど、できない悔しさを感じていた」。でも、つらいときに刺激をくれる仲間がいた。「同期が頑張っていて、ずっと『4人で出たいね』と言ってくれてモチベーションになった」

けがを乗り越えた青木は九州KV戦で控えに入った。「まだメンバー発表すらされていない1週間前ぐらいからずっと緊張していました」。11カ月ぶりの試合で出番は開始6分に味方の負傷交代によって急きょ訪れた。フィールドに入ると、すぐに同期から声がかかる。

「僕が緊張しないように、引っ張ってくれるような言葉を掛けてくれて気持ちもラクになった。試合も楽しくプレーができました」

平山は「青木は結構緊張しいだから」と仲間を想う。「ラグビーでは青木を含めて同期4人全員が熱くプレーできるタイプ。鼓舞してやれば、青木のいい部分が出せると思ったし、しっかり気持ちを上げてほしいと思って声をかけました」。

同期4人で一緒に試合に出るという目標は達成した。平山と藤井はフル出場し、松田も後半37分までプレー。しかし、肝心の試合は19対50で敗れた。強敵相手に一時3点差まで追い上げたが、最後は突き放されて3連敗を喫した。

4人の視線はもう次の目標に向いている。青木は「4人全員が80分出続けて、最後は勝って終わりたい」と話し、平山も「4人の存在感を高めて、勝利に持っていけるように頑張っていきたい」と意気込む。

中国電力レッドレグリオンズの未来は、2022年加入の同期4人が引っ張っていく。

(湊昂大)

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